現代のカルト宗教「陰謀論」について考える

昔陰謀論はファンタジーもしくはエンタメでした。
そういうこともあるかもしれないな程度のものでした。
しかし昨今ではSNSの影響もあり陰謀論がカルト宗教となってしまいました。
陰謀論を本気で信じ、しかも陰謀論が真実であるのだから、それを広めるのが自分の使命であると考える人が増えました。そして陰謀論という自らの正義を実際に行動に移す人も現れています。
現在日本には信教の自由があります。
どのような宗教を信じるのも個人の自由です。
それは保証されています。
思想の自由も日本にはあります。
なのでどのような思想や宗教であってもそれを信じるのは個人の自由です。
しかし自分の信じるものだけが唯一正しくて他は間違っており間違いは正すべきだと個人の正義を実際に行動に移した途端にそれは社会問題となりテロとなります。
さらに陰謀論の厄介なところは、自分たちにとっての不都合をすべて陰謀に転嫁することが可能なところです。すべてが陰謀を隠すための陰謀に見えてしまうのです。
ここで私は普通の頭で当たり前に考えます。
真実とは何か？
その答えは、みんながそれを本当だと思っていることです。
真実というのは実は本当にそれが真実であるかどうかは関係ないのです。
一般的にほぼすべての人がそれが本当だと信じているものがあればそれが真実なのです。
真実は多数決で決まるのです。多くの人を納得させるだけの根拠があるものを真実と言います。
なので陰謀論で言われていることが多数派になればそれが真実となります。
真実とは民主主義なのです。真実とは多数決なのです。真実とは力あるものが決めるのです。
かつて昔々みんなが地球が平面だと考えていた時代、地球が平面であるのが真実でした。
本当に地球が平面であるかどうかは関係ないのです。
だってその当時は確かめる術がなかったのですから。
みんなが地球は平面だよねという共通認識を持てば、それが真実なのです。
たとえ陰謀論で言われていることが真実であったとしても、みんなの共通認識がそうではなければ社会的な真実とはなり得ません。
本当の真実と社会的真実というのは違うのです。
そして一般的真実というのは社会的真実を指します。
みんなの共通認識で本当だと認識しているものが私たちにとって唯一の真実なのです。
死後の世界があるのかどうか、その答えは真実としては存在しているでしょうが、我々には確かめる術がありません。なので死後の世界はないという共通認識を持ち人間死んだら終わりというのが真実であるとして社会的生活を送っています。
なので一般的な真実とは異なる真実を持つのは自由ですが、それを社会に持ち込むと混乱を生むというのは理解できると思います。
陰謀論が陰謀論のままで個人の心の中に収め、あるいは特定グループの共通認識として分かち合うのは社会的に問題にはならないと思いますが、陰謀論が唯一の真実でありその真実を持ってして既存の社会的真実を破壊してやろうとなると、カルト宗教化してしまうのです。
SNSではもうその兆しが見えています。
このままではおそらく社会問題化するでしょう。
家庭崩壊、テロなどを生みかねません。
普通の頭で当たり前に考えてみてください。
匿名を含むたった数名が主張する真実が本当の真実だと思いますか？
ほとんどの人が認めていない真実は本当の真実ですか？
SNSやネットで容易に得た情報は本当の真実になり得ますか？
陰謀論が本当だとしたら彼らは自分達以上の情報を持っているとは考えられませんか？
陰謀論が本当だとしたら私たちが対策をするより前に対策をしていると思いませんか？
陰謀論が本当だとしたら彼らは私達のすべてを知っているはずですが何も対処をしないと思いますか？
陰謀論が本当だとしたらなぜ人口が爆発する以前は私達を支配出来ていなかったのでしょうか？
そもそも陰謀論が本当だとしたらバラバラの一般市民が勝てる相手でしょうか？
そもそも陰謀論が本当だとしたらその真実が世の中に出回るでしょうか？
そもそも陰謀論が本当だしたら一個人がネットとSNSで調べてたどり着けるその程度の陰謀なのでしょうか？
そもそも私達はそんなに賢くないし、そんなにものを知らないというの現実です。
あなたは米を作れますか？あなたは服を作れますか？あなたは家を作れますか？
あなたはマジックのトリックをすべて見破ることが出来ますか？
あなたは世に存在する様々なパラドックスの命題を解決できますか？
あなたは世に存在するパズルをすべて解明できますか？
そもそも私達は知っていることより知らないことの方が多いし出来ることより出来ないことの方が多いのです。
それが本当の真実だと私は思います。