人間の脳内でのフィードバック空間が、物理的レベルから仮想レベルまで広がっている
以上を、苫米地 英人 (著)『苫米地英人コレクション1 洗脳護身術』45ページより引用させていただきました。
これが何を意味するかということ、脳にとっては現実世界も仮想世界も同じということ。
脳内では現実世界と同じように仮想世界でもホメオスタシスのフィードバックが起こる。
脳は現実世界と仮想世界の区別を行わない。
脳は現実と仮想を差別しない。
脳にとっては、現実世界と映画やドラマ、誰かの妄想、小説、ゲーム、テレビのニュース、テレビのワイドショー、テレビのコメンテーターの言うことetc…
これらを「信じる」ことはこれらが現実であると脳が認識すること。
当たり前だが信じなければ脳は現実だとは思わない。
それに臨場感を感じなければ脳は現実だと認めない。
テレビや映画の世界が真実であると信じれば臨場感を感じて実際にそれがその人の現実となってしまい、テレビや映画の世界に対してホメオスタシスフィードバックが起こる。
向こうはこちらのことを全く知らないのに、自分は相手のことを友達のように信頼してしまう。
そして感情移入してホメオスタシスフィードバックが起こり涙を流したりする。
テレビでいつも見ている仲の良いコメンテーターの言葉は何の事実的裏付けもなく信じてしまう。
長時間何時も一緒に居て親しい人の言うことは容易に信じてしまうのだ。
映画やテレビ、ワイドショー、そしてニュース番組の仮想世界が容易にその人の現実世界と入れ替わってしまう。そして脳はそれらの仮想世界にホメオスタシスフィードバックを起こして様々な肉体的反応を起こさせる。
トイレットペーパーが不足する仮想世界を信じてその不安を解消するためにトイレットペーパーを買いにスーパーへと走る。
テレビで見たニュースという仮想世界を信じて、事故や事件で亡くなった見ず知らずの人に親しみを覚えてたまらず花を手向けに現場に向かう。
映画やドラマ、ワイドショーにニュース番組、そしてSNSでの投稿が作り出す仮想世界、それらの架空の現実世界が、容易にその人の現実世界に取って代わってしまう。ホメオスタシスの不均衡解消のために実際に現実世界で行動を起こすことになる。
ただ仮想世界に生きることがすべて悪ということもない。
良い仮想世界に生きれば良い影響があるだろう。
他人に利用される仮想世界に生きれば他人に搾取されるだろう。
富と権力を自分が手にする仮想世界に生きれば実際にそうなるだろう。
現実世界と違い仮想の世界なんだから自分で自由に住む世界を選べばいいだけだ。
苫米地氏の著作によればそのポイントは臨場感。
ホメオスタシスフィードバックは臨場感のある方の現実で起こるからだ。
この原理(脳は臨場感を感じれば架空の現実であってもホメオスタシスフィードバックを起こす)は成功哲学にも使えるし、逆に、洗脳にも使えそうだ。
自分が欲しい成功した仮想世界に自分の臨場感を強く感じれば脳は現実よりそっちを基準にホメオスタシスフィードバックを起こすので成功哲学として使えるし、自分が導きたい仮想世界に強く相手の臨場感を持たせれば相手のホメオスタシスフィードバックが仮想世界へと向かうので洗脳として使える。

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