洗脳とは、変性意識の力で洗脳者が作り上げた仮想世界に臨場感を持たせ、ホメオスタシスの力でこの臨場感を強化し、固定化していく作業である。:苫米地英人著 洗脳護身術

洗脳とは、変性意識の力で洗脳者が作り上げた仮想世界に臨場感を持たせ、ホメオスタシスの力でこの臨場感を強化し、固定化していく作業である。

以上を、苫米地 英人 (著)『苫米地英人コレクション1 洗脳護身術』46ページより引用させていただきました。

同書P36によれば、「変性意識とは、臨場感を感じている世界が物理的な現実世界ではなく、映画や小説といった仮想世界にある状態を指す」とある。

小学校の学芸会の演劇に対する臨場感とテレビドラマに対する臨場感。
小学校の学芸会の演劇を見て変性意識状態になる人はまずいないだろう。
しかしテレビドラマを観て変性意識になる人はたくさんいる。
学芸会が作り出す仮想世界とテレビドラマが作り出す仮想世界には大きな臨場感の違いが存在する。
しかし学芸会という舞台装置であっても一流の脚本家や演出家そして俳優を採用すればテレビドラマと同等の変性意識をもたらす学芸会は作れそうだと想像はできる。
ポイントはリアリティなのだろう。
見る人がそこにリアリティを感じれば感じるほど変性意識状態になりやすく仮想世界に臨場感を持ちやすい。
小説という文字情報だけであっても書かれた内容によっては変性意識を生み出せる。
文字情報だけであっても人はそこにリアリティを感じることができる。
怪談話がその良い例だ。
与えられた文字情報だけで人は怖くてトイレに行けなくなる。
いまにもお化けが出そうに思えるからだ。
与えられた情報にリアリティを感じるか感じないかの境界線はどのようにして引かれるのだろう。
私が今夜あなたのベッドにドラえもんの幽霊が出るよと情報を与えても誰も怖がらない。
しかしもしあなたのその部屋ではかつて恨みを抱きながら死んだ人がいて今夜はその人の命日なんだよと情報を与えたらどうだろう?
その境界線はどのように引かれるのだろう。
何を根拠に人はそこにリアリティを感じるのだろう。
テレビコマーシャルはどうだ?
テレビコマーシャルで俳優がこの商品はこんなに素晴らしいと宣伝する。
人は何を根拠に境界線を引いて単にコマーシャルを見ただけで本当にその商品が素晴らしいと思い込むのか。そして実際にその商品を買ってしまうのか。
もし私がテレビコマーシャルに出てこの商品がどんなに素晴らしいかを力説しても誰も買おうとは思わないだろう。
どこの馬の骨かもわからない人がコマーシャルで力説しても物は売れない。
そこにリアリティがないからだ。
宣伝なのに宣伝だとは思わせないコマーシャルがリアリティのあるコマーシャルなのだろう。
となると効果的な洗脳は洗脳だと思わせない洗脳ということにもなる。
それを洗脳だと自覚していながらそれにリアリティを感じることはないだろう。
他から与えられた価値観ではなく自分オリジナルの価値観だと思わせる洗脳が優秀な洗脳と言えよう。

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