をかしきことこそめでたけれ – NHK大河ドラマ「光る君へ」より

「をかしきことこそめでたけれ」という言葉は「光る君へ」の第6話で直秀が「笑って辛さを忘れたくて辻に集まるんだ。下々の世界ではおかしきことこそめでたけれ」と発言したセリフにある言葉です。

直訳すると、「おかしいことこそ(滑稽なことこそ)素晴らしい(立派である)」とでもなるでしょうか。

まんが日本の歴史を見ても分かるように歴史の中で虐げられてきたのはいつも権力構造の中の最下層の人々です。歴史の中では力のない「その他大勢」がいつも虐げられてきました。
具体的に言えばそれは農民でした。

農民が苦労して収穫した米がないと自分たちは生きていけないのに、権力者側は力に任せて農民たちを生かさず殺さずで虐げてきたのが日本の歴史です。

自分達で汗水流して栽培し収穫した米を権力者側にすべて取り上げられて自分たちは米を食べることができない。権力構造最下層の農民はどんな理不尽なことをされようとも黙っていることしかできなかった。
権力構造の最下層の農民が力を持つことができたのは唯一みんなが一致団結して農民一揆を起した時だけでした。しかしそれは当然一時的なものにすぎません。

そんな無力で誰にも文句が言えない農民が辻で滑稽な演劇を見て笑って辛さを忘れようとする。
力ではどうしようもできない現実を笑って受け入れる権力構造の最下層の農民たちの素晴らしさ立派さ気高さというものを感じます。

おかしいことこそ素晴らしい。
滑稽なことこそ立派である。

現実を受け入れること、すべてを肯定的にとらえること、物事はなるようにしかならない。
そんな真理が含まれている言葉に思えます。

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